森から出てすぐの所に、
中年の男と女、そしてメイドたちが数人荷物を抱えて居た。

「ここまでくれば、大丈夫だろう」

男が息を切らしながらそう言う。

この権力の持つ私が、
殺し屋に殺されてしまうものか・・・!

「何が大丈夫なの?」

クスッと笑い声が聞こえ、
男はビクッと体を震わせて目の前を見る。

「い、いつのまに」

男の数メートル先に、
ナオとルゥは居た。


『ボクたちから逃げれるとでも?』

深くフードをかぶったルゥは、ゆっくりを剣を抜く。

ルゥが動き出す前に、ナオが動いた。

最初に立ち竦む男の首を一気に切り落とし、
そして女、メイド、の順に殺していく。


『勝手に一人で殺すなよ』

剣を抜いた意味がない、 と呟いた時、「お見事」という声が響いた。

ルゥは またお前か、 という風に呆れたため息を出すと、
声のする木の方を見る。

『盗み屋、またお前か』

そう言うと
木の枝に座っていたシークは勢いよく飛び降りて地面に着地する。

「俺さ、この男の持っている財宝を奪うのが今日の仕事だったんだ。屋敷にいないからここに来て見れば、キミ達が居たってわけ」

また会えて嬉しいよ、 とシークは言った。

ニコッとした表情をしてるけど、
目は笑っていない。

そしてそのまま殺されたメイド達の所へ行き、
手を真っ赤に血で染めながらも何かを探している。

「あ、あったあった」