「ちょ、ルゥ!何で邪魔すんの!?」

唯一血に染まっていなかった一人が二人の間に入り、
左手に持っているナイフでシークの剣を受け止め、
少し不機嫌になる少年の剣は間に入り込んだルゥ、と言う者の首
後数センチという所でピタッと止まっていた。


「ボク達の役目はもう終った。こんな屑、相手にしてるだけ時間の無駄」


「ちぇっ、わかったよ・・・」
渋々ナオ、と呼ばれている少年は剣を戻す。


はぁ、と壁にもたれて居た殺し屋がため息をつく。
「さっさと帰るぞ」

そう言うとシュッ、と大きい窓のところに移動する。

シークを殺せないのが物足りないのか、
ナオはジッ、とシークの方を見る。

「おいナオ、次会った時に殺せばいいだろ」

そうナオがレイ、と呼ぶ者の方を見て答える。
「分かってるよ、レイ」

そしてまた振り向き、シークを見て言った。

「命拾いしたね、シーク」
ニヤッとしながらそう言い、ナオも窓の所に瞬間移動する。

「っ!ま、待てっ!!」

ルゥのナイフを振りほどき、
ブンッ、と剣を横に振る。

それをルゥは後ろにジャンプして避け、そのまま後ろに跳ねて窓のところに行く。

「盗み屋ごときに時間をとるつもりはないんだよね」
そうナオが言い放つと同時に、三人は窓から飛び降りた。