「ところでそこで隠れている奴は誰?」

「さっさと現れろ」

「もー随分と前から気付いてるんだから」

やれやれ、という観念した思いと
奴らの姿が見れる、という期待の思いを持ちながら少年はドアを開ける。

「あーぁ。悲惨だな、コレ」

部屋中まっ赤に染まった部屋に、ぐったりと倒れている体が二体。
それとともに転がっている顔二つ。

「テメェは盗み屋か」

「そういう君達は“首狩り”と呼ばれている殺し屋?」

すこし楽しそうな声で少年は言った。


雲に覆われていた空は晴れていき、次第に月が姿を現すと同時に血に染まった部屋も月光に照らされていく。

そして少年は月に照らされていく三人をしっかりと見る。


灰色のフードを深くかぶった三人。
彼等の顔は口がギリギリ見えるだけで
他はフードで隠されてしまい、見えない。

その三人に比べ盗み屋の少年はフードをかぶっていなく、顔が丸見え。

「まぁね。っていうかそんな事訊いても意味ないよ。キミも殺しちゃうから」

低く冷静な声と楽しそうな声の持ち主である二人は体中を赤く染めているが、もう一人は全然血に染まっていないのを盗み屋の少年が気にとめる。

「キミ、名前は?」

「シーク」
人の名前を尋ねる前に先にお前の名前を教えろよ、と思いながらも名前を教える。

「へぇ。シークって言うの」

どうでもいいように少年、シークの名前を言う。

「じゃぁシーク、悪いけど死んでね」

そう言い終ると同時に殺し屋の一人が剣を持って襲い掛かる。


速い・・ッ!!!

そう思ったシーク、だがすぐに彼も自分の剣を手に取って防御する。