そう。愛を囁けるのはあと一年。一緒にいれるのもあと一年。
「私は……」
「言って…。僕は聞きたい。誰よりも愛してるから」
耳元で囁かれたと思ったら耳朶を甘噛みされた。
「んっ……」
声を漏らし、レリアは顔を仄かに染めた。腰に回っていた手が服の裾を持ち上げ、太腿を這う。
「やっ……んっ」
「言ってくれないの?くれないなら……」
「やぁっ!!」
中に入ってきた指にレリアは口を押さえた。
「んっ…ふっ、……っ!」
「レーア…」
耳元で囁かれて心臓が跳ねた。その、無意識のうちに与えられる暗示に口が開こうとするが、ぐっと我慢する。
それを見てルゼルは目を細めた。
「言わない気なんだ……だったら…」
「んやっ!」
首筋に顔を埋められ、強く吸われる。そのまま押し倒され、さっきまでと同じ体勢にされた。
「言わないなら良いよ?言わせるから…」
ルゼルは楽しげに、そして不敵に笑った。
結局最後にはルゼルの望むことを言うざるを得なかった。
負けて言ってはいけない言葉を言ってしまったレリアはソファでグッタリしている。しかしルゼルは満足そうだった。
「君も強情だよねぇ」
「煩いわよ…これが私なの。も…、疲れた……」
クッションに顔を埋めるレリアを見てルゼルはふっと笑う。
「素直に言わないからだよ…」
「言っちゃいけない言葉だもの。仕方がないでしょう。
はぁ……もう嫌」
「レーアちゃんはお疲れだねぇ」
「誰のせいよ!」
全部、彼のせいなのだから。
ムウッと頬を膨らましたレリアは垂れた髪を掻き上げて外を見る。
「もう陽が沈むじゃない…」
もうこんな時間。せっかく彼が休みだったのに、何をやることなく終わってしまった。