ただ二人の乱れた吐息が部屋に響いている。
ミースも他の女中も下がらせてあるから二人の立てる音しかしない。


レリアの乱れた金髪が床に滑り落ちた。長い髪は、朝日に照らされた滝のように輝いていて、夜の彼女とは全く違う印象を与える。

「んぁっ……」

淫らな声が耳に響く。濡れたそれは彼女がルゼルに溺れていることを物語っている。

「レーア…」

「んっ…や!……あっ、ダメ…っ!」


秘部から溢れ出る甘い液を掻き回される。数日与えられなかった快楽はそれを求めていた身体に、強すぎるものを与える。

「あっ、やぁっ…!!んぁっ…っ」

「レーア…っ、も、限界…」

息を吐き出したルゼルはレリアに口付ける。レリアはその人の肩を押さえた。

「んんっ……!あぁっ!!」


口端から漏れる嬌声は、ここ数日出ることのなかったもの。ルゼルがいるから出される特別なものだ。

「んっ…やぁっ、あっ…クー…!!」

「レーア……愛してる」

愛しいその人は顔をしかめながら言った。絡められた指先に力がこもる。

恋しかったこの温かさ。匂いも触れ方も、すべてが今はあって当然のもの。今はなくてはならないもの。

「……っ!!」

逝きそうになったレリアは息を止めた。
一瞬目の前にある顔が歪む。

「やっ…クー…!!」

「っ…」

息を吐き出したルゼルはレリアの身体を抱き締める。荒く息をするレリアの目は、何処も見ていない。

「レーア…」

「………」

答えないレリアを抱き起こしたルゼルは、ソファに座って膝の上に乗せたレリアを後ろから抱き締めた。

「幸せ…」

「バカ……」

息をついたレリアはルゼルの肩口に顔を寄せた。ルゼルは嬉しげにレリアを抱く腕に力を込める。