苦しい。あなたの視線が呼吸を困難にさせる。
「私は一緒にいて良いのか分からないの……どうして良いのかも分からない……だから、怖いの」
「怖い、ね…」
呟いたルゼルはフワリと目を細めた。
「じゃあ言ってあげる。僕は君がいないと生きてけない……誰よりも君だけを、愛してる」
「……あなたがそうでもいつかは離れないといけないの。あなたは私がいなくても生きていけるわ」
「……僕は君が思うほど立派じゃない。君がいるから今の生活をあいつからもぎ取ったけど、君がいなかったら今もただ物事に無関心に生きていたと思うよ…」
レリアを守らないといけないから。
そういう理由で得た幸せだ。きっとレリアがいなかったらルゼルはここにいない。
「君のためだ……君がいるなら他は何も要らない。愛してるよ……レーア…」
そっと頭の裏に手がきたかと思うと、グイッと引っ張られた。そしてそのまま口付けられる。
「んっ…ふ……」
舌を絡められながら口の中一杯に動き回る彼に、抵抗するという考えは当然のように浮かばない。
ただ愛しくて、胸が締め付けられる。
「クー…」
「今日は早いけど…、もう我慢の限界」
呟いたルゼルは体を起こすと、ソファにレリアを押し倒した。そのレリアに口付ける。
「んん…ふぁ……っ」
もう人として生きる術を持たないルゼル。彼は、だからこそレリアを愛する。一つ失ってしまったから、もう一つは失わないようにと。
「レーア、愛してるよ」
「んっ…」
首筋を滑る唇に、過敏になる。ルゼルはミースが結ってくれた髪を少しずつ解いてしまった。
「あっ…髪の毛……解く必要ないじゃない」
「いーの。君の髪は自由に流れてるのが一番だから」
指に絡めた髪を口元に持っていって唇を寄せるルゼルの動作にすら、ドキッとする。
やっぱり私はこの人に溺れている。