目の前に見える金色の髪、青い瞳。熱のこもったその瞳に、酔わされる。

「あっ……っ」

ギシッとベッドが鳴る。レリアは絡んだ指に力を込めた。
首筋に顔を埋めたルゼルが顔を上げる。


「レーア……」

噛み付くように口付けされて、レリアはそれに応じる。けれど息が続かなくてすぐに逃げようとするのを、ルゼルは追って止める。

「あっ…、んんぁっ!……やぁっ」


部屋に響く淫らな声。意識を飛ばしかねない快楽の渦に、レリアは必死で意識を繋ぎとめる。

「ねぇ……レーア」

「んっ……な、に?」

肩で息をしながらその人を見ると、青い瞳がじっと見つめてきている。

「また今日も、ツェーナと抜け出してたでしょ」

「それが……っ、なに」

「別に……」


別に、なんて返してきているのに、その顔は憮然としている。まるでおもちゃを取られて拗ねた子供のように。


「レーア、愛してるよ…」

そっと手を離して、彼の首に腕を回す。

「っ……あぁっ!!」

「……っ」

ぎゅうっと腕に力を込める。身体の中に流れ込んでくる、彼のもの。絶頂を向かえ、くたっとしたレリアを抱いたルゼルはその髪に顔を埋めた。


「レーア……」

私の名前を意味もなく呼ぶ声。その声が愛しくて、ついつい視線を向けてしまうのが私の癖。

「…なに……」

「なんでもない」

首筋に顔を埋めてくるルゼルは、よく名前を呼んでくる。その行為自体に意味などない。ただ、レリアが見てくれるという結果に結びつく行動だからと、無意識にやっていることに過ぎない。