「もう……」

諦め半分呆れ半分。

仕方ないからご機嫌取りで、シーツで身体を隠しながらこちらに背中を向けたルゼルに近付いて髪の毛にキスを落とした。

「……ね、やっぱヤろ?」

顔を向けてきた彼に腕を掴まれて、じっと見上げられる。


「あなたの頭の中にはそれしかないの?」

「僕をムラムラさせるレーアが悪い」

「させてないわ」

「させてる」

グイッと引き寄せられて唇を奪われる。呼吸を奪うその行為に応じていると、後ろに押し倒された。


唇が離れる間際、ぺろっと口を舐められた。それに顔が赤くなるのが分かる。

「昨日、これ以上恥ずかしいことしてたのに、これくらいで顔赤くするなんてレーアも可愛いね」

「……バカ」


目の前でニヤリと笑うルゼルを迫力のない瞳で睨み付ける。

「今日だけよ」

部屋から出ないのは。

そう言ってレリアは、伸ばした腕をルゼルの首に回した。









この時、愛する君の考えていることを身体に、ではなくちゃんとした言葉で聞いていたらあんなことにならなかったのかもしれない。

大事な君の、大事なモノは僕が一番知っていたはずなのに。


信じられなかったのは僕。
でもそんな僕でも君は愛していると言う。


どうして、どうしてあんなふうにすれ違ってしまったかな?

いや、しっかり言うと僕が君から勝手に離れたからいけなかった。

それを無知な僕は離れてしまったから。



僕たちはどうすればよかったのかな……。