「直希」



ザアアァ...



俺は顔をあげて、目をこすりながら見上げた。

ボヤけて見える、白いジャージに、顔にはメガネ。



「あとで、職員室ね」



コツン、と、教科書で俺の頭を叩く長谷川。

笑いがクラスに木霊する中、ちらりと優斗を見た。


クラスの皆に馴染んで、口を盛大に開けて爆笑する優斗。


そのとたんに心が溶ける気がして。

でも、渡辺のことを引きずっていて。







まぁ……

それは別の話し。












俺ニハ、優斗ガイルノダカラ―――――。










ザアアァ..



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