ドクン


心臓が、高鳴る。

お姉ちゃんは、カタカタと指先だけではなく、身体中を震わせながら、話を続ける。



「……この雨の中、傘をささないでぼぅっと……立ってたの。
霊のように、無表情で。
口をパクパクしながら、一点方向見つめて……」


「……いってん、ほうこう……って……」



連られて、カタカタ震える俺の身体。

もう……゙恐怖゙じゃ言い表せられねぇよ……。



「……百合那ちゃんが見つめてたのはね、












直希、アンタの部屋よ」



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