俺は自分の部屋で一人、ニンマリしてた。

机の上にある、不器用に施されたラッピング。

中には、チョコとメッセージカード。



もちろん作ったのは――――


「直希」


遠慮がちに、ドアから顔を出すお姉ちゃん。


何だよ、いい気分だったのに。


ドアから、わずかにラッピングされているチョコが見えた。



「百合那ちゃんからと、そのお友達から」

「……誰」

「え? 聞かれても、百合那ちゃんが渡して来たからよくわからないや」



……渡辺。
どんだけ俺を振り回せば気が済むんだ。


冬休みにお前が言ったろ?

俺が嫌い、と。





ポツ..ポツ..
ザアアアアアァ...



「ヤダ、雨!?
洗濯物濡れちゃう……」




バタバタ、と、階段を降りる音。

しかし、数分も経たない内に、顔色を変えたお姉ちゃんが現れた。




.