「直希?」


「おぅあッ!!」



ガタタッ


椅子から落ち、尻餅をついた。
急に顔を覗き込まれて、びびった…。

顔を覗いた人物は、腹を抱えて高笑いした。



愛しいその顔は、優斗。




「なに考えてたんだよお前……っ!
もう教室、誰も残ってねぇよ!」

「え、マジッ?!」



教室を見回すと、誰も席についていない。
もちろん、騒がしくもないし気配もない。

これは、神のくれたチャンス……!



急に心臓が、速く動き始めた。


ドクン
ドクン
ドクン



「んじゃ、かえっか」



今だ……!!





.