「匠……別に同性を好きになったからって、臆病になることない」


……この声は。

俺は、ゆっくりと後ろへ首を動かす。


「人が人を好きになるだけマシ。

なんたって、あたしと直希も優斗が好きなんだしねっ☆」



光ぃ――――!!!

俺は心の中で、そう叫んだ。



「えっ……お前等も!!?
光はともかく直希には勝てる自信ねぇ!!泣」

「なっ、失礼ねっ!
とりあえず、匠もバレンタインに勝負だからね!! 覚悟しなさい!」

「は? 男が男に??」



頼む光、内股で小走りで来ないでくれ。
そして腕を閉じて、手を顔の位置にするのも止めてくれ。




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