「……匠、なにしてんの?」



誰もいないと思っていた教室には、"優斗をMにしよう"と提案した匠がぽつんといた。

匠は椅子に座って、勉強をしているワケでもなく、誰かと話しているワケでもなく、ただ一人でボーッとしていた。



「家に帰りたくなくて……。
悩み事あるし……」

「悩み事? どんな?」

「……好きな人が出来た」



おぉ~!!
匠からそんな話しが出るとは……ッ!笑

俺はニヤニヤして、誰だよ、と冷やかす。


まぁ……相手によっては手助けすっか。


そんな考えは、匠のセリフで掻き消される。








「……優斗」





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