「バカみたいでしょ。
男が男を……好きだなんて。

直希にば女々しい゙だの゙はっきりしろ゙だの言ったけど……怖いの。
気持ちを伝えて、避けられるのが。
気持ち悪く思われるのが。

いくら傷付いてもいい。
でも、今の゙友達゙という関係に戻れないのは嫌なの。

好きだから、こそ……」




        カオ 
そう言った光の表情は、悲しそうで、泣きそうで、嬉しそうだった。


優斗を好きと気づいたのは、最近ではないだろう。

光の言葉一つひとつが、軽いものではなかった。



避けられることの拒絶。
同性を好きになった虚しさ。
なのに諦められない自己嫌悪。

気持ちに素直になれた嬉しさ。



光は、自分と向き合い、考えこんだのだろう。



そんなことを考えていると、胸が苦しくなった。




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