教室の扉の前で深呼吸を二、三回繰り返した後、扉に手をかけた。



ガラララと、いつも通りの音。

……ただ――――




ドクン




――優斗が、いる。

目が合う。
心臓が飛び跳ねる。



「……っ。
……あ……」


「…………。

おはよー、光(笑
今日もイカした面してんな~」

「えっ、意味わかんないんだけど!?」



優斗は何事もなかったように、光に話しかけた。

俺も何事もなかったように、机に座った。








気付けば、四時間目の体育。

体育館への移動は優斗…ではなく、大平と光と。



それだけで、不幸に感じた。





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