「レン、秀、俊、ご飯よ! あ、桃ちゃんいらっしゃい!」


威勢のいい声がして、今度はレンのお母さんがやって来た。

俊兄と秀兄は、ほーい、と気の抜けた返事をして、ぞろぞろと部屋を出た。

一方で、レンはがっくりとうなだれていたが、すぐに立ち上がった。


「あとで続きな!」


レンはそう言って、私の頭を撫でた。


リビングへ降りると、レンのお母さんの手料理が並んでいた。

いつもひとりで夕食を済ます私にとっては、賑やかな食卓が嬉しかった。

そして、レンの笑顔がすぐ近くにあることで、私の心は満たされた。