「ったく、また兄貴かよ。邪魔すんな!」


そんなレンの言葉にお構いなしに、ふたりはずかずかと部屋の中に入る。

このイケメン揃いの兄弟に、毎回ドキドキしてしまう。


「お前と桃の記念日なんて、把握済みなんだよ!」

「こんなバカな弟と付き合ってくれてる桃に、兄貴としてお礼言っとかなきゃな!」


レンはため息をつきながら、床の上で胡坐をかいて座った。

その隣に私もちょこんと座る。


「どうせ、桃と話したいだけだろ?」


レンはそう言って、側にあったお菓子をつまんだ。