一日の終わりを告げるチャイムが、校舎内に鳴り響く。

私は一目散に教室を飛び出し、廊下を駆け抜け、階段を下る。


「レン、お待たせ!」


息を切らした私に、レンはいつもの笑顔をくれた。


「おう、行こうぜ!」


そう言って、レンは私の手をとる。

私は、彼の横顔を見つめた。


「ん?」


私の視線に気付いた彼が、ニッコリと笑う。

そして、彼は私の指の間に自分の指を絡め、手の隙間をなくした。


「あ、バス来てる!」


レンは、バスが停留所に停まっているのを見ると、私の手を引きながら走り出した。