お化け屋敷は、超満員だった。

不気味なセットと音楽が、恐怖心をかきたてる。

私とレンが並んだその先に、既に咲とハルは並んでいた。


「なぁ、桃。」


突然、レンが口を開いた。

繋いだままの手は、少し汗をかいていた。


「ん?」


私は背の高い彼を見上げながら、聞き返す。

彼は、私の目を真っ直ぐに見て言った。




「俺のこと、覚えてない?」