「ハルって、面倒見いいよね!いつも兄弟見てるんだっけ?」
言った後に、ハッとした。
それは、直接会話した内容ではなく、ハルとのメールの内容だったから。
手をポケットに突っ込んだまま、私の方をゆっくりと振り向く。
そして、首を傾けながら尋ねた。
「何で知ってんの?」
「えっと、その…」
しどろもどろしている私の隣で、咲が立ち上がって言った。
「あたしが話したの!ハルって、兄弟がいて、面倒見がいいんだよって!」
そう言って、ニッコリと笑う彼女。
その笑顔は、誰が見ても魅力的だった。
ハルも、うっすらと笑顔を浮かべた。
咲はすごい。
ピンチをチャンスに変えて、それを自分のものにしてしまう。
私にはできない。