私はハルに駆け寄り、思いきり抱きついた。

ハルも、私をしっかりと受け止める。


あたたかい、ハルの体温。



「ハル……ハル……!」



存在を確かめるかのように、私は彼の名前を繰り返し呼んだ。



ちゃんと、いる。

ちゃんと、ハルはここにいる。



「ごめん。待たせたな」



そのハルの言葉に、私は首を横に振った。



「ううん。ごめんね…… ごめんね、ハル……」



ひたすら謝り、泣き続ける私。

私が泣き止むまで、ハルは優しく頭を撫でてくれていた。


『いいんだよ』って。

『桃は悪くない』って……


そう、言いながら。