携帯が私の手の中を滑り落ちる。

私が手にしていた物は、全て宙に舞った。


その落下音も。

子供たちのはしゃぐ声も。

木々のざわめきも。


もう聞こえなかった。



だって、目の前にハルがいる。


嘘じゃない。






ハルがいるの。