絵でも描けてしまいそうなほど、すっかり見慣れてしまった景色。
今日で何回目だろう、ここに来るのは。
冬のイルミネーションの代わりに、今度は花壇の花たちが遊園地を彩りはじめる。
気が付けば、もうすっかり春になっていた。
嬉しそうに遊園地の中へ入って行く、小さな子供たち。
私はその景色に微笑みながら、携帯を開いた。
そして見るのは……
あの、ハルからのメール。
あれから毎日、私はハルからのメールを読み返していた。
不安になったとき。
涙が出そうになったとき。
ハルが恋しくなったとき。
充電切れになるまで、眺めた。
これがもし手紙だったら、ボロボロすぎて読めなくなっているだろう。
今まで眺めているだけだった、ハルからのメール。
今日は返事を書く。
私は返信ボタンを押し、ゆっくりと親指を動かした。