「ごめん……。俺が邪魔した」



すべてを話し終え、初めにレンが口にした言葉は、それだった。

私はレンの言葉を否定する。



「レンのせいじゃないよ!私がもっと早く自分の気持ちに素直になっていれば、レンもハルもここまで傷つくことなんかなかった……」



しばらく沈黙が続いた。


レンは、ハルを静かに見つめながら言った。



「俺、あんなガキの頃からコイツと一緒にいるのに、コイツの病気に気付けてやれなかった。殴ったこと、すっげー後悔した。でも、どんなに悔やんだって、自分を責めたって、俺がしたことは消えない」



レンは膝の上で、拳を強く握りしめた。

そして、今度は私を見て言った。



「でも、お前ならまだ間に合うよ。」


「え?」



レンはそう言って、少しだけ笑った。








「運命は、今からでも変えられんだろ?」