「あの……レンは?」



私は、呟くようにレンのお母さんに問いかけた。



「レンは、ハルくんの家にいるわ。お母さんと妹さんたちの面倒を見に。」


「そう、ですか……」



寝たきりの、ハルのお母さん。


小さい妹たち。



病院に来たくても、来ることができない。


そんなハルのお母さんの気持ちを思うと、胸が痛い。



「明日の朝には、来ると思うわ」



私がレンに会いたいと思っているのだろうか、お母さんは私に少し笑顔を向けた。


別れてしまったけれど、レンのことはやっぱり気になる。



レンだって、大事な人。