「どうして、咲がここに?」


ネオン街でのあの一件以来、咲とは会っていなかった。


久しぶりに見る彼女は、派手だった服装を大分落ち着けていた。



「ここ、パパの病院なの。だから、さっき連絡があって。」



咲のお父さんって、お医者さんだったんだ。



そう言えば……


ここの病院、咲の名字だ。



「ハルのこと、何か知ってる?」



彼女は、私のその問いかけに首を横に振った。



「ううん、何も。」


「そっか……」



咲と共に、再び長椅子に腰掛ける。


待つしかない。