イワクラは数えてみると半年ぶりだった。
半年前は、たしか、神居幼稚園の保護者が主催者になって開かれたはずだ。
それも幼稚園が改装するとかで、大量のものを整理するので、そのついで、という感じだった。
たぶん、大人連中が忙しかったからなのだろう、儀式はとりあえずといった感じの、もうしわけ程度のイナウがちょぼちょぼ並んだだけの簡素なものだった。
「まあ、イナウ、20は並べたいよな」
スケジュール通り俺と山中は、放課後、まずイナウのための木をゲットするために、安部を誘って山にはいった。
佐藤も小森も田口も桜井も練習だ、勉強だと忙しくて、しかたなく山中がついてきてくれたんだ。
寺を継ぐ予定の山中は、受験というカテゴリーからかなり遠くにいるらしい。
ちなみに舞は、親父さんの仕事につきあって動物園見学にいっている。
「でも、無理か。俺、削るの遅いんだよね。いつも親父に怒られてる」
山中をそのままデブにして頭をつるっつるにした風貌の親父さんを、俺は思い出す。むかしは、うちの親父と人気を二分する美少年だったらしい。
「自分で20っていったんだから、やってみろよ」
「えええ。三下も安部も手伝ってくれないわけ?」
「手伝うよ。3つくらいなら」
気のいい安部は優しくうけあっている。
こいつは超優勝だから勉強もする必要がない羨ましいタイプだ。
「俺も3つだな。あと、田口、佐藤が3つづつ。小森と桜井は1つがせいぜいだろ。全部で17かな。17あれば文句はないよ」
「あれ? 舞ちゃんは削らないわけ?」
半年前は、たしか、神居幼稚園の保護者が主催者になって開かれたはずだ。
それも幼稚園が改装するとかで、大量のものを整理するので、そのついで、という感じだった。
たぶん、大人連中が忙しかったからなのだろう、儀式はとりあえずといった感じの、もうしわけ程度のイナウがちょぼちょぼ並んだだけの簡素なものだった。
「まあ、イナウ、20は並べたいよな」
スケジュール通り俺と山中は、放課後、まずイナウのための木をゲットするために、安部を誘って山にはいった。
佐藤も小森も田口も桜井も練習だ、勉強だと忙しくて、しかたなく山中がついてきてくれたんだ。
寺を継ぐ予定の山中は、受験というカテゴリーからかなり遠くにいるらしい。
ちなみに舞は、親父さんの仕事につきあって動物園見学にいっている。
「でも、無理か。俺、削るの遅いんだよね。いつも親父に怒られてる」
山中をそのままデブにして頭をつるっつるにした風貌の親父さんを、俺は思い出す。むかしは、うちの親父と人気を二分する美少年だったらしい。
「自分で20っていったんだから、やってみろよ」
「えええ。三下も安部も手伝ってくれないわけ?」
「手伝うよ。3つくらいなら」
気のいい安部は優しくうけあっている。
こいつは超優勝だから勉強もする必要がない羨ましいタイプだ。
「俺も3つだな。あと、田口、佐藤が3つづつ。小森と桜井は1つがせいぜいだろ。全部で17かな。17あれば文句はないよ」
「あれ? 舞ちゃんは削らないわけ?」