「それ、顰蹙でしょう?」

佐藤はいがぐり頭をぐわんぐわんと振った。

「なんで薬師んとこのなんて送ってやんなきゃならないの」

小森は丸い頬をもっと円くふくらませている。

「他の人たちが出さなくなるかもしれないな。薬師といっしょじゃいやとか」

田口は試験用のノートに顔をうずめたままでいう。

「ありえるかも。薬師の授業受けさせるのも嫌がる親もいるってきいたもん」

桜井は知たり顔でうんうんとうなずく。

「塩もって授業受けてるやつ、俺、知ってるぜ」

山中が追随する。

「でも、どうして薬師先生がそんなに嫌われるの? けっこういい大家さんだよ」

舞が無邪気にいうと、全員が、はあ、と大きなため息で答えた。

生徒会室は理科室の中の理科準備室だ。

窓はない。

風がはいってこない狭い空間に、さすがに、7人つめこまれると、息苦しくなってくる。

俺は、舞も参加させてしまったことをすこし後悔しながら、でもさ、と口をひらく。

「でも、久しぶりのイワクラだし、オプニカやイヨマンテみたいにでかいのでもないし、別にいいんじゃないかって、思ったんだけど」

あえて、駄目かな? とはいわずにみんなの反応を待った。

舞だけが目で、会長正しい! 仲間はずれはよくない!と誉めてくれている。