「次の土曜ならいいぞ。夕方からだけど」

佐藤は、お安い御用だ、という感じで笑った。

わたしも平気、わたしも、俺も、と小森や桜井、山中も賛成してくれる。

田口はいない。

バスケの試合の遠征で他の町にいっている。

「どうせイワクラやるんだから、みんなにも聞いてまわって、送らなきゃならないものがないかどうか確かめたほうがいいよね」

「同感。ここしばらくイワクニやってないからみんな喜ぶんじゃん」

「オプニカの汚名返上にもなるかも」

山中、桜井の言葉にはみんなうなずいたけれど、さすがに桜井の皮肉には笑えなかった。

しーんとしてしまった生徒会室の中で、桜井の、ごめん、という小さな声だけが響いた。

まだ、みんな気にしている。

あたりまえだ。つい2日前のことなのだから。

「じゃあ、とりあえず次の土曜、夕方5時でいいかな? 校門前集合。それから場所をきめる。イワクラをやることはプリントにして、明日の午後までに各教室に配るから。ま、みんなも聞ける人には聞いておいて」

「OK」

俺の提案で、昼休みの会議は終わった。

ぞろぞろとみんなが教室へ戻っていくなか、佐藤だけ耳の絆創膏を指でいじりながら、俺の顔を面白そうに眺めている。

「なんか、ついてる? 俺の顔に?」

「やっただろう? 白川と?」