俺は、瞬間、全身から血の気は引いていくような感触をあじわった。

それで気がつけばよかったんだ。

いや、本当は気はついていたのかもしれない。

認めたかっただけなのかもしれない。

ただ、強烈に思った。

もう、これは、メコンノマコイに賭けるしかないって。

指をなくしても、たとえ体をなくしても、なにもかもを賭けるしかないって。




銀のしずくふるふる 金のしずくふるふる

ふくろうのいる ふくろうのさと

銀のうまれる 雪のさと

金のうまれる 雪のさと

人のうまれる したの里

ほかの生まれる そのしたの里

どこまでも どこまでも ひとしく やさしく

銀のしずくふるふる 金のしずくふるふる



歌詞カードを忘れて困っていたら、横から小森が差し出してくれた。

学祭のフィナーレの歌。

全校生徒が体育館で丸く並んで合唱するのが慣わしの歌。