みんなで思わず、ははは、と力のない笑いを漏らしたとき、わたしがしましょうか、と祭壇の後ろから声がした。

一瞬、超びびったのは、イワクラ・カムイが喋ったかと思ったからだ。

「以前、一度お世話になった業者さんが隣町にあるから」

そういいながら出てきたのは、湯本さんだった。

なんだか、あんまり一杯の人でびっくりしちゃって、あの後ろが空いてたからはいってたの、あ、これ、わたしの送りたいもの、友達からもらったネックレスなんだけど・・・

べらべらと喋りだす湯本さんを、俺たちは疲れと驚きで呆然と見つめていた。

俺たちと湯本さんの間に、小山のものたちが、悠然と存在している。

もう誰も反対する気力のあるやつはいなかった。

いっせいに、お願いします、と頭をさげたとき、待ち構えていたみたいに、ユーカラの風が吹いてきた。

すぐ近くから、突風みたいに吹き上がってきた。

「じゃあ、ちょっと電話してきます」

湯本さんはそれに送られるように、ふわりと体を翻すと、公衆電話のある下の道まで、すうっとかけていった。

「タイミング、いい」

舞がみんなを代表するように力強くコメントした。



業者はすぐにやってきた。

隣町から2人組みが軽トラでやってきて、あっという間に小山を処理してくれた。

なんでも、半年前の幼稚園でのイワクラのときも、最後はここの業者にお願いしたらしく、恐ろしいくらい手際がよかった。

料金は湯本さんが当たり前にように払っていたけれど。