鞄の横の服の山。

さっき、受け取りながら小森が思わず、もったいない、とつぶやいた舞の靴と服。

すこしづつ燃えている。

すこしづつ送られる。

やがて佐藤が、いくつもの細い煙のたちのぼる中から、ご苦労様でした、と大声でいって深く礼をした。

イワクラが無事終わったんだ。




「後ろのほうに積んじゃっていいのかな」

燃え残ったものを、とりあえず真ん中に集めて、俺たちは首をひねっている。

火をつけるのはあくまで形式なので、だいたいは燃え残る。

本来は、もの、が朽ちてなくなるまで放置しておくらしいけれど、現代都市でそういうことをするわけにもいかない。

「幼稚園はどうやったんだっけ?」

「あれ、たぶん、回収の業者よんだんじゃなかったっけ?」

「そういうのって、ありかよ?」

「そうもいってられないさ。この量だとさ」

真ん中に集められた、もの、は自転車や椅子もあってかなりしっかりした小山だ。

「いまから業者、探す?」

「やっぱり中坊のやることはって笑われるな」