「オレ? 多分平気」
「そっか」
ボソッと呟いたと思えば右手をオレに向かって差し出してくる。
「え?」
「手」
「あ、うん」
ぐいっと美羽に引き上げられる。
あれ?
女のコに立たせてもらうとか超ダサいんじゃね!?
うわ~
「ところで」
「へ?」
「誰に聞いたの? あれ」
「あれ?」
あれといって美羽が指したのはさっきオレが美羽に向かって投げつけたもの。
梨花ちゃんの鈴木美羽マル秘情報その②
“あのね?
美羽ってね、毛虫が苦手なの”
毛虫……………のおもちゃ。
さすがに本物は投げつけられるわけなくておもちゃだったけど、
美羽にとっては毛虫ってだけで絶大な効果だった。