「その人、どんな人?」
それ聞いて何がわかるんだろ?
「ぇと…優しくて、可愛くて、
梨季のワガママ笑顔で聞いてくれて、
一緒にいると幸せで、
梨季が元気ないとそばにいてくれて、
恥ずかしがりやで、
手つなぐのとか嫌がるけどっ
梨季が手握るとぎゅって握り返してくれてっ
手から好きって言われてるみたいで……」
そこまで言うともう何言ってるかなんてわかんなくなるし、
視界だってぼやけるし。
お兄ちゃんの前で泣いちゃったよ……最悪。
「梨季」
優しい大和くんの声が聞こえる。
「オレが思うに梨季にそんなに思われてるヤツが、
理由も無しに他の女のコのこと抱き締めたりなんかしないと思うよ?」
「それに、もしそいつが最低なヤツだったらオレと大和がのしてやるよ(笑」
悪戯っ子のような笑みを廉くんが見せる。