「由岐?」
『どうしたのこんな時間に…』
「あ、いや……今日Dearに将也さんが来て由岐を探してたから……」
『そっか。買い物してただけだよ』
「な、何だぁ……迷子とかラチられたのかと思ったし…」
肩についていたやけに重い緊張を解きながら言った。
『ごめんね。心配かけて……』
「ううん。怪我とか無い?」
『うん。無いよ』
「そっか、ならよかった……」
由岐が大丈夫なら、心配なんて無い。
本当によかった。
「幸輔」
「大塚。先帰ったんじゃなかったの?」
「ううん。ねぇ電話の相手、由岐?」
「?だけど?」
「変わってくれないかな?久しぶりにちょっとだけ話したいんだ」
「?わかった……。由岐、ちょっと変わるよ?」
『うん』
大塚は俺から携帯を受け取ると俺から離れて楽しそうに話しだした。