ﾌﾞｩｰﾌﾞｩｰﾌﾞｩｰﾌﾞｩｰ
制服の胸ポケットに入れていた携帯が震えた。
「？」
「もしもし？」
『幸輔…』
「和樹？」
『ｺﾞﾎｯ…ぁぅん…』
「大丈夫か？風邪引いてるみたいだけど…」
『ぁ…風邪引いちゃって……』
「で、俺に代わってくれって？」
『あぁうん。ダメかな？』
「ちょっと待って」
『おぉ』
俺は携帯を抑えてから小さなため息をして由岐を見た。
「由岐」
「ん？」
「今からDearに行っていい？代わってくれない？って電話来たんだ…」
「行く!!」
「え？」
由岐は「いいよ」ではなく「行く」と言った。
