電車から出ると 「送るよ」 「いいよ。早く帰って…」 いつもは家の近くまで送るのにさ…。 「でも雨…」 「近くだから大丈夫だよ」 「…」 「幸輔……」 何か言いたいのに 何も言いたくない 「「気をつけて」」 そぅ言って別れた。 最後、由岐は笑わなかった。 いつも声がハモると笑う由岐は… 笑わなかった。 由岐が……叫んでる。