幸輔は悩んで悩んで悩んで、あたしと同じような陶芸の食器セットを買った。
それにはスプーンやフォークも入っていて、しかも白黒と灰色だからオシャレ
あたしと幸輔はその小さなショッピングモールでお揃いのキーホルダーを買った。
何だかすごく嬉しくて、無意識で笑顔になって、胸の奥がくすぐったかった。
幸輔は最初恥ずかしそうにしてたけど、最後にはくしゃっと笑った。
あたしも幸輔に笑い返した。
だって幸せだから……。
でも幸せだから、あたしだけなのかなって不安だってある。
あたしはまだそれを訊けるほどあたしは自信や力が無い。
あたしはまだ、その不安を抱える事と、隠すことしかできない。
「由岐……」
いきなり幸輔が不安そうな顔をしてあたしに話し掛けるから、あたしはいっきに不安になった。
あたしは、幸輔に不安にさせる事をいつの間にかしていたのかと思ったら、嫌だった。