「はあ...。」

僕はため息をつく。

なんの意味のないため息。それがなんかよそよそしくてムカついた。



僕は明日、入院する。悪化するのが手に取るように分かるのだ。




今日も空が青かった。

同じ空の下でどうして人々に与えられる幸せがこうも違うのだろうか...。



病院生活が始まった。

病院のこの薬品などの匂いで僕は病人なんだと再認識させられる。

「結城、ここに着替えおいとくぞ。まぁ、ゆっくり休め。」

近頃父の顔は老けた。クマも目立つようになった。


それでも僕は誰かにクマを作らせるほど自分がその誰かにとって、どんなに大切な存在か気づかなかった。