僕は15歳だが初恋はまだだった。


童貞で死ぬのは許せる。しかし一度くらいは恋をしたい。

最後にでた欲だッタ。


その後、父は新型のゲームと優しい空色をしたカーテンを買ってきた。

10年以上使ってたカーテンは色あせて捨てられた。

まるで僕のようだ。



捨てたらいつかは忘れられる。

そんなことが、とてつもなく怖かった。忘れられるのは、そう遠くではないからだ。



15年という短い生涯で他の人より出会う人の数が少なくて、世にしらしめる名誉も地位もなにもない、ごく一般的な高校生だからだ。

あまりにも残酷だ。


僕には夢も希望すら見えてこない。

見えかけていたバスケの選手の夢すら遠ざかってしまった。

希望ははなから見えていないが。


だってごくまれな望みだから。