このカフェにあるケーキはあたしの学校の帰り道にもあって、たまに買って帰ると理央ちゃんが喜んでくれる。
ケーキ達を席に運び、理央ちゃんと向き合うように座った。
「イチゴタルト食べる?」
フォークに一口分のせてそっと理央ちゃんに近づけた。
「食べるっ!」
パクっと一口。
口をモゴモゴ動かして、満面の笑みを浮かべてくれた。
「そう言えばさぁー…… まおちゃんは、耳の事誰かに話すの?」
ケーキを半分位食べた頃、理央ちゃんの質問に驚いた。
まさか理央ちゃんがこんなことを聞いてくるだなんて思っていなかったから、どう返していいかわからない。
「学校始まったら大変じゃない?」
理央ちゃんの言っている事はもっともだって…… あたしだってそれ位分かっている。
分かっているから、今――― 必死なんだ。
「高校の友達には学校が始まる前に話してみたら?」