次の日の練習は外で行われた。

応援の舞の練習は発声よりもきつかった。


「次はこういう振り付けだからな」

水谷先輩の声が響く。


いくら九月とはいえ、やっぱり暑い。

休憩の時間になるとみんなは即座に水を求めた。



ふと、先輩の顔が目に入る。

汗かいてる・・・なんか・・・かっこいい。


その時私は自分の気持ちに気付いた。


私、先輩が好きなんだ!!







空を見上げると、真っ赤に染まった夕焼けに、ぽつんと二つの雲が寄り添うように漂っていた。



いつか先輩と、あの雲のようになれたらいいな・・・。




私はそんな願いを、密かに空へ託した。