「いつも良太が咲希ちゃんの話するからどんな子か見たくて…」

「あたしの話?」

「おい、修平…っ!?」

「良太の言う通りだったね」



あたしと差がない身長
同じ高さの目線で彼はニッコリと笑った



「良太、どうせろくなこと話てないでしょ?」

「さ、さぁ…」



視線を泳がす良太は
あたしと視線を交えようとはしなかった。


そんなあたしに堀内君は
またあの優しい笑顔で話し掛けてきた


「ねぇ、何て呼べば良い?」

「咲希で良いよ」

「じゃあ咲希…アド教えてくれる?」



堀内君の右手には携帯が握り締めてられていて、すでに赤外線があたしの方に向けられていた



「……あっ、あたし?!」

「うん、ダメ?」



堀内君の突然の申し出に
その場の空気が変わった。


可愛く首を傾げて
あたしを見る堀内君

あたしの鼓動が急に速くなる。