あたしは絵里と同じダンス部に所属し、もちろん学園祭でも発表する


委員会にも出て

クラス発表も考えて

部活の練習もして

学祭が終わった数日後の期末テストの勉強もしなくてはならなかった。




結構ハードな日常

だけどそれが、
あたしはどこか楽しく思ってた。


「ちゃんと仕事進めとけよ咲希」

「あんたにだけは言われたくないわ」



少し上から目線で言う良太に向かって、あたしは少し舌を出してあっかんべーをした

そんな時、突然





「…咲希?」



あたしと同じ携帯の持ち主の男子があたしの名前を呼んだ


同じ学校とはいえ
面識のない男子に突然名前を呼ばれ、正直あたしは驚いた。



「咲希、修平と知り合い?」

「ううん…多分初対面だと思う」



驚いた顔をしてる良太とあたしは
その表情を彼に向けた。



「ああ、ごめんごめん…びっくりしたよね、俺は堀内修平」

「あ、咲希です、あの…どこかで会いましたっけ?」

「……ううん、咲希ちゃんの言う通り初対面だよ」



初対面の彼に普通に『咲希ちゃん』と呼ばれ、あたしは少し違和感を感じた


同世代の男の子から
優しい笑顔で親しげに話しかけられたことはあまりなかったから…。