別に良太のことが嫌いというわけじゃない

ただ気がつけばお互い言い合いをしてるけど、本気ではなく冗談のつもり




……だと、あたしは思ってる。



「まぁまぁ落ち着いてよ、はやく学祭の準備しなきゃならないんだから」



絵里が呆れたように
あたし達の仲裁に入った



「そうそう、こんなバカに構ってる暇なんてなかった」



良太は切れ長の目と余裕の微笑みを、あたしの方に向けた。



「バカッ!?」

「とにかく写真選びはまかせたから…行事別に分けて模造紙に綺麗に飾っといて」

「ご丁寧な説明、どうもありがとう」



その仕返しに嫌味たっぷり含ませて、良太に言うと



「はやくやれよ、このマヌケ」



それだけ言って
教室の隅で待っていた、携帯の持ち主の方へ行った。



「な…っ!!」

「まぁまぁ…はやく仕事進めちゃおうよ、部活の方も行かなきゃいけないし」

「……わかったよ」



絵里の言葉を聞き、
あたしは反論する言葉を飲み込んだ