勘違いさせたとわかったけど、ちゃんと聞いてほしいから。

「俺の話聞けよ…」
「……」
「…俺、伊坂にあんな事言って本当に悪いと思ってる。あの後、ずっと考えてた。伊坂の事…頭から離れなくて……それでやっと気付いた。俺は…」

そこで一度言葉を切り、大きく息を吸って伊坂の目を見る。

「…聖治が好きだ」
「！…っ…悠斗……」

泣き出しそうだった瞳から一滴、俺の頬に落ちてきた。


今まで、何度も泣き出しそうな顔をさせたけど、初めて見た涙が、嬉し泣きでよかったと心の底から思った。
もちろん俺の前で泣かなかっただけかもしれない。
あの時だって、俺が見てなかったからわからなかったけど、泣いていたかも。

それでも、俺にとってはこれが初めて見る伊坂の涙だ。

「俺も…愛してる」