俺は嫌われていない。
その事に安堵すると同時に、痺れるような感覚が伴い、力が抜けそうになる。
「…い、さか…俺……」
やっぱり俺は情けない奴だ。
伊坂がまだ俺を想ってくれているとわかってからじゃなきゃ、自分の気持ちが言えないなんて。
「俺は…っ!」
言おうとした瞬間、唇を伊坂の唇によって塞がれてしまった。
「んんっ…」
「……悠斗が悪いんだよ?俺に会いに来たりするから」
「…いさ、か」
「もう、逃がしてあげられない」
全てを絡み取るような強い瞳で射抜かれ、身動き出来なくなる。
そんな俺の腕を引き、目の前のドアの鍵を開けるのももどかしそうに俺を部屋の中へと導いた。