「…俺は謝ってほしいわけじゃないよ」
痛いぐらいの視線を受け止める事が出来ず、逸らしてしまう。
どうしていいかわからない。
逃げ出したくても、腕をガッチリと掴まれている。
何かを言おうにも、口にすべき言葉を口にしていいのかわからない。
俯きかけた俺をそうはさせまいとするように、顎を持ち上げられた。
再度視線が交わるが、すぐに目を伏せると、耳元に顔を寄せ「悠斗」と切なく呼ばれて顔がカッと熱くなる。
「悠斗…俺は悠斗が欲しいんだ」
さらに顔が熱くなる。
伊坂の熱を持ったような甘い声が、俺の鼓膜を震わせる。