-*香助

「おーい!香助!!」

なんだよ、朝っぱらから
騒がしいやつだ、まったく。

「なに」

「きたぞ、きたぞ!!」

「なにがだよ」

「校内の一、二を争う『橘 八雲』と『音木沙羅』だよ!」

だから、なんだよ。
要するに女だろ...

女ごときでいちいちうるせえんだよ。

「なあ、香助」

「んー?」

「お前は八雲と沙羅どっちが好き?」

しゃべったこともないのに
呼び捨てでいいのか?こいつ。

「俺は沙羅だなー、なんかオーラが周りのやつと違う!!」

一人で話を進めないでくれ。

てか、オーラがって...
その沙羅とかいうやつの
隣にいる橘?だっけ。
あいつもなんかある意味すごいオーラでてんじゃん。

「なあ、香助。お前はどっちだ!?」

なんだこいつ。
俺は興味ない。

「別に俺は...」

「いいから、どっちだ!!」

なんか切れ気味...
適当にこいつと合わせとこ。

「音木沙羅じゃね。」

「やっぱり!?だよなー。」

付き合ってられない。

まさか、今日から俺があの女に惚れていくなんて
誰も予想できなかっただろう--。